KITANOMORI ANIMAL CLINIC
北の杜動物病院
022-301-8188
当院では病気を未然に防ぐための〝予防医療〟に力を入れております。 かけがえのない家族の一員の健康を守り、幸せな暮らしが末永く続きますようお手伝いいたします。
■ノミについて
犬や猫の体に寄生する外部寄生虫である「ノミ」には犬ノミと猫ノミがありますが、犬ノミは犬、猫ノミは猫だけに寄生するというわけではなく、人間も含め他の動物にも寄生し吸血して被害をもたらします(現在見られるノミのほとんどは猫ノミです)。ノミは普通、春から夏の時期に多く見られ、温暖で湿度の高いところを好みます。犬や猫の体に常時寄生して住みついているわけではなく、ノミの成虫が吸血する時にだけ犬や猫(あるいは人間にも)に寄生します。
■マダニについて
マダニは草や木の葉先に生息し、宿主となる動物が通過するのを待ち受けています。動物の被毛にくっついたマダニは、口から出ている突起を皮膚に深く差し込んで食いつき、接着剤の働きをする物質を分泌することによって固定されます。マダニの吸血後の体重は、吸血前の200倍にもなることがあり、肉眼でも簡単に見つけることができます。頭を皮膚の中に深く入り込ませているので、むやみに引っ張って取り除こうとすると、皮膚の中にその突起の一部が残ってしまい、ひどい皮膚炎の原因になってしまいます。寄生したマダニを見つけたら、何もせずにそのままご来院ください。またマダニは、原虫、細菌、リケッチア、ウイルスなど多くの病原体を媒介することがあります。犬バベシア症というマダニが媒介する主に西日本で発生がみられた病気が関東以北でも発生が認められるようになり、注意を要することがわかってきました。また人間にも、ライム病、日本紅斑熱などを媒介することがわかっており、最近では重症熱性血小板減少症候群(SFTS)への関与が話題になりました。ダニ媒介疾患はまだ不明なところもあり、まだわかっていない病気もあるとされています。しっかりと予防しましょう。
■予防薬について
今まではスポットオン剤が主流でしたが、最近は薬効、安全性に優れ、滴下部位のベタつきやシャンプー時期に悩むことのない嗜好性の高いソフトチュアブル(おやつタイプ)経口剤が発売され、選択肢が増えました。
避妊手術や去勢手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、問題行動の抑制や多くの病気の予防に効果があります。去勢手術では、マウンティングやマーキング、攻撃性を抑制し、精巣および肛門周囲腺の腫瘍・前立腺の病気等の予防に効果があります。避妊手術では、発情期特有の体調の変化や発情に伴う出血をなくし、子宮蓄膿症・卵巣および乳腺の腫瘍を高い確率で予防できます(乳腺腫瘍の予防は手術の時期が重要になりますのでご相談ください。)
ワンちゃんやネコちゃんと、より長く幸せに暮らすために避妊・去勢手術をお勧めしています。
■手術の時期について
成長の過程で性ホルモンが強く分泌される思春期には情緒が不安定になりがちです。人は理性によって衝動をおさえますが、動物たちは発情期には本能のままに振る舞います。避妊・去勢手術は生殖活動が活発になる前に行うことをお薦めします。犬・猫とも性別にかかわらず生後半年頃が適した時期です。